パートよりお給料がいいけど、派遣ってどうなんだろう~
実際はどうなのかな~
日本の派遣制度は、1986年に施行された制度です。設立当初は、プログラミング、データ入力、通訳など専門性の高い13業務に限って派遣を認めており、いわゆるエキスパートの派遣がメインでした。
2004年に小泉純一郎首相時、竹中平蔵内閣府特命担当大臣が法改正をおこない、大量の非正規雇用者を生み出しました。2008年のリーマン・ショックが起こると、「ワーキングプア」や「ネットカフェ難民」などの用語も生まれ 格差が浮き彫りになりました。これらの問題を解消するために、何度も法改正がおこなわれてきましたが、現状はどうなっているのでしょうか?
厚生労働省のデータによると、現在、49%の方が非正規雇用で働いており、増加の傾向にあった非正規雇用者数は、2020年に初めて減少しました。
また、不本意非正規雇用の人数も減少してきています。
210629【政調更新】HP掲載資料 (mhlw.go.jp)
このように、データを見るとなんだか非正規雇用者が正社員になったのかのように想定されてしまいそうですが、現実の感覚とはかなり乖離があります。
今回は、派遣社員として6年間働いたて感じた生の声をお届けしたいと思います!
派遣から正社員になれることは殆どない
私の派遣先は平均で10年以上勤めて、技術職でないとと正社員になれていません。20年以上派遣というケースもあります。
派遣先の社長の「そろそろ正社員にしてあげるよ。もうちょっと待ってね。」っていう甘い言葉にだまされてはいけません。一生懸命働くと、残業が続いたりします。
派遣元に相談しても「こんなに良い条件のところはありませんよ」「もうすこし頑張ってみてください」「今はよい仕事がありません」と言われてしまって取り合ってもらえません。
派遣元は、派遣社員に長く働いてもらうことで、収益を安定させることが出来るからです。
差別を感じる時はどんな時?
さすがに「派遣さん」と呼ばれることは少なくなりましたが、派遣は出席できない技術発表会があったり、どんなにチームとして貢献してもそのチームの表彰者に名前がないなど差別を感じる事は多々あります。
会社で頑張れば頑張るほど、「なんで派遣が会議でてんの?」とか「は?派遣でしょ?なんで派遣に言われなくちゃいけないの?」と言われたりします。
また、「付随業務」のなかになんでもぶち込んでくるので、気を付けましょう。
この「仲間はずれ感」と「搾取感」によってじわじわと精神が病んでいく感じがします。
評価されることはない
派遣社員は派遣先にとって、「人材」ではありません。「調達物」です。
私の派遣先では派遣は調達が手続きを行うので、明白です。
人ではなくモノとして扱われ、個人の能力は問われず、派遣先部署の上長の評価もほぼ関係ありません。
また、資格などを取得してスキルが上がっても派遣社員のために派遣元が時給交渉を行うことはありませんし、特別賞与もありません。
副業は禁止
派遣自体が副業みたいなものなのに、なぜか副業は禁止です。
まさか?と思って営業にも確認してみましたが、副業は禁止だそうです。
理由は、機密情報とかなんたらで・・・だそうです。正社員が副業OKな会社もたくさんあるのに、お給料が少なくて、不安定な雇用である派遣が副業禁止は、理解できません。
いつでも定時で帰れる
悪いことばかり書いてきましたが、良いこともあります。
派遣社員は、いつでも定時で帰れます。派遣法の改正により、社員よりも後に帰宅することはありえません。
どんなに忙しくても、仕事が中途半端でも、「お疲れ様でした~」といって笑顔で帰れます。派遣社員の能力は問われません。
仕事が終わらないということは、指揮命令者が能力を正しく評価せずに仕事を与えてしまったという、判断能力が欠けていたという判断がなされます。
責任を社員に押し付けられる
派遣社員は、責任を取れないため、責任のある仕事を任せられることはありません。
なので、どんなに適当に仕事をしても、さぼっていても、ちゃんと確認をしなかったという理由で、社員に押し付けられます。責任感はいりません。
とにかく、言われた時間に言われた場所にいて、言われた仕事を適当に、ゆっくりこなしていれば問題ありません。
普段はであえない人とも出会うことができる
正社員としてはハードルが高い大手企業でも働くことができるため、普段では出会えないような優秀な人とも出会うことができます。
学歴が高いだけでなく、人間性にも優れた人がたくさんいます。そのような人と仕事をしたり、会話をするこで、仕事以外のことも学ぶことができます。
派遣社員になってしまったら?
派遣社員というのは、泥沼です。一度、派遣社員になってしまうと、なかなかその沼から出ることが難しくなります。特に、40歳を過ぎてしまうと再就職は非常に困難です。
長く続ければ続けるほど、社員よりも仕事に詳しくなり、やる気が搾取され、ゾンビのような作業マシーンになってしまいます。
とにかく、一刻もはやく「派遣社員」という沼から抜け出すことをおすすめします。
派遣社員から抜け出すためには?
40代派遣の選択枠としては、次の4つの方法が考えられます。
1.少しでも自分のスキルとなるような部署に回してもらう
スキルを身に着けたらスキルを活かしてフリーランスになるか、転職します。
2.派遣をやめて失業保険をもらいながら職業訓練をうけて転職
緊急性が高い場合です。精神的に厳しい場合は、早めに状況を変える必要があります。転職するにも、独立するにも、お金を稼ぐには、健康が一番大切です。
3.派遣をやめてフリーランスとして独立する
スキルがあるならフリーランスとして独立してみてはいかがでしょう。やればやるだけ、お金を稼げます。派遣で働いている間に、出来る限りの準備をしておきましょう。
4.正社員になれる会社に転職する
40代派遣の転職は、スキルがないとかなり厳しいです。現在は、パンデミックの影響からか、ホテルや飲食関連の求人が多いのでねらい目かもしれません。
派遣社員として働くデメリットとしては、差別、給料、評価制度などがあげられます。一方、メリットとして、自由度と、手軽さがあげられます。これらのメリットを十分に生かして、自分の時間を自分のために使えるようにレベルアップしていきましょう!
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