翻訳者はいらなくなる?AIは人間のことばを話せるのようになるのか?

ステップ3 投資を始めよう!
ネコ
ネコ

Google翻訳も結構使えるようになってきたなぁ~

チョコ
チョコ

知ってる?将来なくなる仕事に、翻訳者があるんだよ。

ネコ
ネコ

へぇ~。じゃぁ、外国語の勉強をしなくてもよくない!?

チョコ
チョコ

どうなんだろう・・・

将来なくなる仕事の中に翻訳者があります。日々ビックデータを蓄積しているGoogle翻訳のレベルもだいぶ上がってきているように感じます。たまに、「え、私の和訳より上手いじゃん」って時もあったりして、自信を失いかけます。

近未来には、ガイドブックなしでも自由に外国を旅行できたり、外国人とのミーティングでも気負うことなく議論できたり、学校では外国語の授業がなくるなんてことになるかもしれません。

近い未来には、ドラえもんの「ほんやくこんにゃく~」が現実のもの(または既になっている)になっているのかもしれません。

のび太くんならここで、「そんな便利な道具があるなら、もう外国語の勉強しなくていいじゃん!」ってなるのでしょうけれど、はたしてどうでしょうか。

会話が楽しめるという意味ではわくわくしますが、何かを忘れているような気がしてなりません。

そこで今回は、「AIは人間のことばを理解して話せるようになるのか?」について調査してみたいと思います。

AI時代になくなる可能性が高い仕事

自分の仕事がAIに奪われてしまうなんて遠い未来の話でしょ?と思っているかもしれません。しかし、株式会社野村総合研究所の発表によると、10~20年後の近未来において、およそ50%の仕事がなくなると予想されています。

経済のプロ40名以上が明かす、ロボット時代に「生き残る会社」「なくなる仕事」~2020年の日本を大予測!(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(5/7) (gendai.media)

既に、音声認識や言語識別などが可能となった今、翻訳関連のお仕事は既に絶滅の危機に瀕しているのかもしれません。

はたして、将来、AIは人間のことばを完全に理解し、ことばを操れるようになるのでしょうか?

AIと自然言語

スペルチェック、情報検索、予測変換、音声認識、光学文字認識などにおいて、人間の能力を超えている分野もあります。とはいえ、AIは本当に、人間の自然言語を理解していると言えるのしょうか?

現在、Google翻訳のように簡単に翻訳が出来るようになりました。でも、どこか不自然な言葉になっていることはありませんか?

それは、AIは、自然言語を言語的に理解することができていないためです。

例えば、母国語であれば、なんか変とかこれは良い文章だと判断できます。

ダメな文の例
・彼女はその男を知りない。→語尾がおかしい

・私は昨日、本を読む予定だ。→時制がおかしい

・私を車で乗った。→格助詞が変

                                 などなど

しかし、これらのような間違いは、AIには判断できません。なぜなら、自然言語の使用は、ヒトのみが持つ特徴だからです。

AIやコンピュータは計算機であり、文字の情報を数値化しています。AIはことばを理解して翻訳しているのではなく、二言語間の膨大なデータに基づいて単語どうしのマッピングを行うものであり、発話の意図や文意の解釈に基づいて翻訳するわけではないからです。

言葉を話せるのは人間だけ?

チンパンジーも人間のことばを話すよね?とか、うちの犬は、「ごはん」って言えるよ!などと思ったりしませんか?

人間が生まれながらにして持っている言語活動とコミュニケーション活動は明確に区別する必要があります。

コミュニケーションには、言語を使わないノンバーバル・コミュニケーションもあります。

コミュニケーションについての実験で、「メラビアンの法則」があります。

感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方について、言語情報7%、聴覚情報38%、視覚情報55%の割合で人に影響を及ぼすことが分かりました。

メラビアンの法則 – Wikipedia

つまり、チンパンジーやペット達は、人間とコミュニケーションをとることが出来るようになっただけで、言葉を理解しているわけではありません。

ことばってなんだっけ?

AIのことばは、データに基づくマッチング。コミュニケーションとの違いに気づいてくると、そもそもことばってなんだっけ?とわからなくなってきます。

言語活動は、文法と語彙の知識を基盤とした、読む能力、書く能力、聞く能力、話す能力の四技能を通じて行います。

人間の脳は、運動や視覚など様々な役割を部位ごとに分担していることは既にご存じかと思います。

言語においても、脳の地図での44番(45番)のブローカ野と22番のウェルニッケ野が重要な働きを担っていると言われています。

つまり、一般的な知的能力と言語の能力は同一ではなく、言語はそれを処理する部位で扱われており、言語の能力を構成する部内でも、文の組み立て、音声、単語など、それぞれの部門毎に異なる部位で処理されています。

有名な俳優オーランド・ブルーム氏は、失読症(ディスレクシア)であることが知られています。

セリフが覚えられない オーランド・ブルーム、失読症との闘いを告白|シネマトゥデイ (cinematoday.jp)

他にも、聞いて理解する能力の障害や、書くことだけが出来なくなる純粋失書、読み書きの両方が出来なくなる失読失書など、言語に関する様々な障害あります。

聞いたり、話すことは問題ないのに読んで理解することだけが出来ないというのは、脳の一部の部位に何らかの障害があることを意味しています。

このように、言語活動において、読む、書く、聞く、話すの4技能の獲得が必要です。

高い知性を持つイルカなどの生物種であっても、言語を持つことはできません。また、人間よりはるかに優れた処理能力を持つコンピュータでも言語を理解することはできないのです。

つまり、この自然言語を持つためには、ヒトであることが第一の条件なのです

AIが人間のことばを理解できるのはいつ?

有名な物理学者である湯川秀樹氏が書いた「宇宙と人間七つのなぞ」があります。

その7つの謎の中に「ことばのなぞ」があります。「人間はどういうふうにしてことばというものを獲得したか、そのはじめは分かりません・・・(中略)一歳ちょっとくらいな、ことばをしゃべれるようになってから、せいぜい五、六カ月のあいだの子供が自分で使うのです。我々が幼児の知能にかんしてもっていた固定観念によれば、そういうことはできるはずがないのですが、実際にできるのだからしかたありません」と子供があっという間に母国語をマスターしてしまうことを謎だとしています。

現在の言語の研究においては、ことばは、習得するのではなく、獲得するもので、自然現象だということになっています(※母国語のみ。第二カ国語は学習して習得する必要がある)。つまり、人間の脳には普遍的な文法システムが備わっていると考えられています。

この、「ことばの謎」が全て明らかになれば、もっと効率的な外国語の学習方法が開発され、AIが人間のことばを理解できるようになるかもしれません。

しかし、言語の研究はまだまだ進んでおらず、全体が解明されるまでには膨大が時間がかかると言われています。

つまり、AIが人間のことばを理解できるようになるのはまだまだ先の未来。外国語の習得は今まで通りコツコツ勉強するしかなさそうです。

こんな記事もおすすめ

英語 | FIREまでの道 (the-road-to-fire.com)

コメント

  1. 間池留 より:

    ココにかかれている、AI翻訳のボトルネックはおそらく5年の内に完全に解消される。本当に必要なら1年以内に解消される。テクノロジーの実情を甘く見すぎている。10年後地球に隕石が直撃し人類が滅亡することが分かっていれば、5年後には宇宙旅行が身近なものになってるだろう。

    ただ、英語学習はお勉強という意味では本当によくできている。学生の能力を図るという意味ではとても優れている。英語学習の必要性を論じるのは理系科目の必要性を論じるのにむしろ近い。

    • chocodog より:

      コメントありがとうございます!
      たった5年で!? テクノロジーの進化にはワクワクしますね。
      英語学の教授は、”人間がことばの謎を解けない限り、AIが本当の意味で言葉を理解することない。そういった意味で、20年~50年はかかるだろう”と言っていました。
      英語学習はまだまだ必要そうですね。